区分所有のコンドミニアム、タウンハウスなどを購入すると管理組合(BODY CORPORATE)の一員になり、管理組合費を払うこととなります。支払いに関しては、建物全体を管理するための費用と将来的な修繕のための積立金として認識していると思いますが、オーストラリアでは、管理組合運営会社(BODY CORPORATE MANAGER)という会社が、オーナーが組織する管理組合委員会を補佐し、建物を管理するうえで重要な役割を果たしています。管理組合運営会社は、管理組合が任命し、オーナーの意向で会社を変更することもできます。
日本は、物件を建設した会社の関連会社が運営することが多いですが、オーストラリアでは、完全に独立した会社が業務を行うのが一般的です。この会社への報酬は、管理組合費の管理費から支払われていますので、この会社がどのような業務を提供しているのかを簡単に説明します。また、建物内には、建物や共有施設を管理している建物管理会社(BUILDINIG MANAGER)が任命されていますので、併せて説明します。
1.管理組合運営会社(BODY CORPORATE MANAGER)の役割
* 管理組合委員会のミーティング案内、議題、議事録の作成、配布。
* 委員会への参加
* 管理組合運営のための税務、法務アドバイスの提供
* 財務管理
* 管理組合費の請求書の作成、発送
* 管理組合規約違反に対する委員会へのアドバイス
* スムーズな管理組合運営のための補佐
* 建物保険の管理
* 日常の事務処理
2.建物管理会社(BUILDING MANAGER)の役割
管理組合と,建物を管理する業務の委託契約を建物管理会社と締結します。この建物を管理する業務の権利(契約)は、MANAGEMENT RIGHTSと呼ばれ、市場で売買されています。
建物管理会社の業務は建物全体、および共有施設の管理ですが、具体的には、庭のメンテ、芝刈り、清掃、エレベーター、ロビー、電球交換、ごみ処理等です、また、建物内の賃貸物件の賃貸管理業務も担っていることが多いです。なお、個別物件(区分所有の一室)の管理は行っていません。
オーストラリアでは、管理組合運営会社というビジネスが確立しているので、業者間の競合もあり、常に品質の高いサービスが求められます。物件オーナーで組織する委員会は、スムーズに管理組合を運営することができ、結果的に重要な資産である不動産の価値を維持することができる訳です。物件を保有しているオーナーも、管理組合から送られてくる議事録、収支報告などにも目を通して、どのように管理組合が運営され、建物を管理しているかを知ることも大切です。