制度の見直し(中古物件の除外方針)が発表されて以降、オーストラリア主要都市のオークション成約率(Clearance Rate)は節目の50%を下回る週が目立つなど、市場の冷却感が一段と強まっています。投資家の需要減退にともない、短期的には住宅価格の下落基調(ソフトランディング)を期待する声もありますが、この価格調整が市場にもたらす副作用には注意が必要です。
最大の問題は、将来の「住宅供給のさらなる縮小」です。デベロッパーが推進する新築プロジェクトの価格設定は、豪州最大である中古住宅市場の取引相場(実勢価格)を基準にします。中古相場が下落すると、資材費や人件費が高騰する中で新築の採算が合わなくなり、新規開発の見送りや延期が相次ぎます。その結果、数年後に深刻な供給不足を招き、需給の歪みがさらに増大する懸念があります。
また、政府の「初回住宅購入保証制度(5%の手付金で購入できる支援策)」を利用して高値圏でマイホームを取得した層への影響も無視できません。価格が下落に転じれば、住宅ローンの残高が物件価値を上回る「債務超過(Negative Equity)」に陥り、将来の借り換えや住み替えが困難になるなど、実需層の資産価値を直接毀損するリスクを孕んでいます。
価格の沈静化という目先の変化の裏で、中長期的な需給バランスと家計への影が忍び寄っている点があるかもしれない、ということを見落としてはなりません。しばらくは注視していく必要があります。
直近ではブリスベンのオークション落札率が30%になったと報じられています。去年の今頃は65%前後を推移していましたので、まさに暴落の状況です。。。
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