2026年8月に発表されたCotality(旧CoreLogic)の最新住宅価格指数(2026年7月度データ)をもとに、オーストラリア不動産市場の「最新の真実」を全4回で詳しく解説していこうと思います。
第1部となる今回は、直近のブログでも度々触れている足元で急加速している「全国的な価格調整(下落局面の拡大)」と、その中でのゴールドコースト市場のポジションについて深掘りします。
2026年7月のオーストラリア全国の住宅価格指数(Home Value Index)は、前月比で-0.7%下落となりました。これは6月の-0.4%からさらに下落スピードが加速した格好であり、単月としては2022年12月以来の最も大幅な落ち込みです。
これまで市場の下落を引っ張っていたのはシドニー(7月:-1.4%)とメルボルン(7月:-1.2%)の2大都市でしたが、7月データではこの波が他の都市へも決定的に拡大していることが確認できました。これまで力強い伸びを見せていたブリスベン(-0.6%)やアデレード(-0.2%)も2ヶ月連続のマイナスとなり、主要州都の8都市中5都市で価格が下落に転じています。
一方で、パース(+0.1%)やダーウィン(+0.8%)など一部の資源州都市のみがプラス圏を維持していますが、全体として急速にモメンタムが失われつつあることが鮮明になりました。
このような全国的な調整局面においても、ゴールドコーストの住宅価値はその強固なファンダメンタルズを背景に高水準を維持しています。
2026年のゴールドコーストの一戸建て価格の中央値は約117万豪ドルとなっており、過去1年で約10〜12%の上昇を記録しました。ユニット(マンション)中央値も836,000豪ドルと高値を維持しています。
現在、ゴールドコーストの一戸建て中央値は、シドニー(1,244,617豪ドル)を除くオーストラリアのすべての州都(メルボルン、ブリスベン、パース等)を上回る水準に達しており、単なる地方都市の枠を超えた高価値市場へと完全に変化しています。
なぜ今まで好調だった市場全体にブレーキがかかり、全国的に下落が拡大したのか、その背景にあるのは、高金利の長期化に伴う「住宅ローンの返済能力(Borrowing Capacity)の限界」と、そして先のブログでも触れましたが、最近最も市場にインパクトを与えたのが政府による不動産投資に対する税制改革(投資家に不利)です。
政策金利(Cash Rate)が4.35%に留まる中、借入可能額が削られたことで買主の購入意欲が減退し、特に高価格帯の物件を中心に価格の調整が進んでいます。
次回、【第2部】では、価格帯別の鮮明な明暗と深刻な「供給ギャップ」について、高級物件と手頃な物件でなぜこれほど差が出ているのか、その構造を解説します!
