不動産融資の貸し出し金利が高止まりしているにもかかわらず、不動産投資家たちの意欲は衰えるどころか、さらに熱を帯びています。2025年を通じて、投資目的の住宅ローン融資額は31.8%増という高い伸びを記録しました。現在、借り換えを除く新規住宅ローン融資総額の約39.7%を投資家が占めており、これは過去10年間の平均である33.5%を大きく上回る高いシェアです。
州別で見ると、ニューサウスウェールズ州(NSW)の投資家シェアが45.0%と突出しており、次いでクイーンズランド州(QLD)も40.1%と高い割合を示しています。一方で、自己居住目的(Owner Occupier)のローン貸出件数は前年比で7.4%増にとどまっており、投資家がマーケットを力強く牽引している構図が鮮明です。さらに、元金据置(Interest Only)ローンの割合が新規実行額の20.9%を占め、債務対所得比率(DTI)が6倍以上の融資割合も6.1%と上昇傾向にあるなど、資産形成のためにレバレッジを積極的に活用する投資家が増えている様子が伺えます。
豪州では日本と同様、不動産賃貸事業において税務上の優遇措置が存在します。いわゆる「損益通算」を活用した戦略で、物件から生じる損失(主にローン利息や減価償却費)を給与所得等と相殺することで所得税を圧縮しつつ、並行して物件価格の上昇(キャピタルゲイン)を待つ手法です。
現在、賃貸市場は需給が逼迫しており、金利負担を家賃収入の増加で補える構造となっています。こうした背景から、投資家が積極的に融資を受けて不動産市場へ参入している状況が、データにも如実に表れています。

