近年、オーストラリア・ブリスベンでは人口増加が急速に進み、住宅需要が大きく高まっています。それに伴い、長期賃貸住宅の不足や家賃の上昇が社会問題となってきました。
特に問題視されているのが、郊外の住宅地において、本来は「住むための家」である物件が、Airbnbなどの短期宿泊(民泊)として利用されているケースです。こうした状況により、賃貸市場に出回る住宅が減り、さらに騒音やゴミなどの近隣トラブルが発生する例も増えてきました。
このような背景から、ブリスベン市は、「観光と住宅のバランスを取り戻す」ことを目的に、民泊に対するルールを明確化し、段階的に規制を強化する方針を打ち出しています。
今回の動きは、民泊そのものを否定するものではなく、住宅地と観光エリアをきちんと分けて考えるという考え方に基づいています。実際、市の方針では、郊外の一般住宅地にある民泊については、将来的に長期賃貸へ戻すことが望ましいとされています。一方で、ブリスベン市内中心部や観光エリアにおける宿泊施設については、引き続き観光需要を支える存在として認められています。
そのため、CBD(市内中心部)やインナーシティでのホテル運営、サービスアパートメント、観光・商業ゾーンでの宿泊事業については、今回の規制によって大きな問題が生じるわけではありません。
日本人投資家にとって重要なのは、「民泊ができるかどうか」ではなく、どのエリアで、どの運営形態を選ぶかという点です。
今後のブリスベン不動産投資では、郊外での民泊一本の運営は慎重な判断が必要になる一方、都市部や観光エリアを中心とした宿泊・ホテル型投資は、引き続き有効な選択肢と言えるでしょう。
ブリスベンは2032年オリンピックを控え、中長期的な成長が期待される都市です。
制度の背景を正しく理解し、エリアと運営方法を見極めることで、日本人投資家にとってのチャンスは今後も十分に残されています。


