先のブログで、不動産の実質利回りについて簡単に解説しました。まとめると、実質利回りとは、家賃収入から賃貸事業にかかる経費、具体的には固定資産税、管理費、修繕費、空室による損失などを差し引き、その残りを不動産の投資額で割ることで算出されます。
例えば、物件価格がA$1,000,000で家賃収入がA$50,000あり、経費がA$20,000かかった場合、実質的な家賃収入はA$30,000となります。これを投資額で割ると、A$30,000 ÷ A$1,000,000 = 3%
となり、この3%が「実質利回り」となります。
さて、この3%という数値は、投資という観点から見るとどのような意味を持つのでしょうか。実はこれは、他の投資対象と比較する際の重要な指標となります。
「他の投資と比較する」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、身近な例として銀行の定期預金があります。先ほどの投資額A$1,000,000の例を用いると、仮に銀行の定期預金金利が4%だったとします。そして、不動産の実質利回りが3%だった場合、あなたはどちらの投資を選びますか?
不動産には価格下落のリスクもありますが、銀行に預けたお金は元本が減ることはありません。その逆に、不動産が値上がりして大きな利益を得られる場合もあります。どちらを選ぶべきかは一概に言えませんが、このように「実質利回り」を理解しておくことで、さまざまな投資商品との比較が可能になります。
ここで大切なのは、自分なりの投資判断の基準を育てていくことです。不動産投資を考えるときには、こうした視点を持って利回りを見ていくことで、自分に合ったより良い物件に出会える可能性が高まっていくと思います。
