不動産投資を行う際には、会話の中で利回りについての話題が頻繁に出てきます。利回りは、不動産投資の収益性を測るための重要な尺度の一つです。
例えば、A$1,000,000の投資を検討していたとします。不動産業者との会話の中で「利回り5%ですね」という案内があった場合、それは投資額A$1,000,000に対して年間5%の家賃収入が見込める、という意味になります。
具体的には、1,000,000 × 5% = A$50,000となり、年間A$50,000の家賃収入を得られる計算です。
また、逆に家賃収入と利回りから不動産価格を算出することも可能で、50,000 ÷ 5% = A$1,000,000となります。
ここで注意すべき点は、今の例が「表面利回り」であるということです。表面利回りは単純に家賃収入のみを基準に計算されますが、実際にはそこから賃貸事業にかかる経費、具体的には固定資産税や管理費、修繕費、空室による損失などを差し引いた「実質利回り」を考える必要があります。
例えば、この例で経費に年間A$20,000かかったとすると、実質的な家賃収入は、A$50,000 − A$20,000 = A$30,000となります。すると利回りは、$30,000 ÷ 1,000,000 = 3%となり、表面利回り(5%)より大きく下がることが分かります。
さらに、利回りが1〜2%下がるだけでも投資判断には大きな影響を及ぼします。投資額がこの例のようにA$1,000,000規模であれば、1%の利回り低下は年間でA$10,000の収益減となり、長期的なキャッシュフローや投資回収計画に直結します。
このように、不動産投資を検討する際には、表面利回りと実質利回りの違いを正しく理解し、不動産業者にはどの利回りを意味しているのか確認しつつ、数字の背景にあるコストやリスクも踏まえたうえで慎重に判断されることをおすすめします。

