不動産調査会社CoreLogicから発表された最新データによると、先週、オーストラリアの主要都市で開催された住宅オークションの件数は2,816件。これは先々週の2,460件、そして昨年同時期の2,380件と比べても大幅な増加となっており、
もし全て予定通りに実施されれば、今年3番目に多いオークション週間となる見込みです。
注目すべきはメルボルン。先週は1,371件のオークションがあり、これは今年に入って4番目に多い数字です。先々週は1,223件、昨年同時期は1,109件だったことからも、マーケットの活発さが際立ちます。
シドニーも同様に勢いがあり、先週は1,095件のオークションがあり、こちらも先々週(799件)・昨年(899件)を大きく上回っています。これがすべて実施されれば、こちらも今年3番目に活発なオークション週となります。
他の都市では、ブリスベンが148件でトップ、次いでアデレードが124件、キャンベラが68件と続きます。一方で、オーストラリアで4番目に大きな経済都市であるパースはたったの9件にとどまっています。
これは、「パースでは競売(オークション)という販売形式があまり一般的ではない」という事情によるもの。むしろ価格交渉を含む**プライベートセール(相対取引)**の方が好まれる傾向にあるとのことで、州ごとの文化の違いが垣間見える興味深いポイントです。
競売数増加の背景には、長らく続いていた中央銀行(RBA)の高金利政策が、ようやく緩和の兆しを見せはじめていることもあるかもしれません。売り手側としても今がチャンスと見て物件を市場に出してきている可能性があります。
今後の注目点は「落札率(clearance rate)」です。一般的に業界では、
- 70%以上なら売り手市場
- 60%以下なら市場はやや軟調(ただし買い手市場にはなりにくい構造)
とされているため、次回発表される落札率は、今後の市場動向を占う重要な指標となりそうです。
落札率はまた機会がありまひたら、共有したいと思います。

