先週、2032年オリンピック・パラリンピック開催地であるブリスベンに、国際オリンピック委員会(IOC)の主要メンバーが初めて訪問しました。これは、2021年にブリスベンが正式に開催都市に選ばれて以来、初の現地視察となります。委員達は、QLD州政府の関係者との会談を行い、今後の計画についての議論や、競技会場候補地の視察を行うなど、開催に向けた本格的な準備がいよいよ動き始めたことを印象づける訪問となりました。
その訪問と時を同じくして、ブリスベン南東部のチャンドラー地区にあるスリーマン・スポーツ・コンプレックス(Sleeman Sports Complex)では、QLD州の器械体操大会が開催されていました。会場では、体操競技だけでなく、新体操やトランポリンのオーストラリア代表によるデモンストレーションも披露され、2032年に向けた施設の活用とその可能性を、関係者に向けて施設の改修計画への理解を深めるためのアプローチも行われました。
スリーマン・スポーツ・コンプレックスは、2032年大会で体操、新体操、トランポリン、トラックサイクリング、BMXレース、飛込、水球、アーティスティックスイミングなど、複数の競技会場として活用される予定です。もともとは1982年のコモンウェルスゲームズのために建設されたこの複合スポーツ施設は、現在も日常的に地域のアスリートやコミュニティに利用されており、既存施設を最大限に活かす「持続可能な五輪」の象徴として注目を集めています。
既存のインフラを改修・拡張して活用するという姿勢は、環境への配慮や財政的な健全性の面からも支持されています。さらに、オリンピック後も地域のスポーツ振興拠点として使われ続けることで、レガシーとしての価値も非常に高いといえるでしょう。
IOCの訪問をきっかけに、2032年ブリスベン大会に向けた具体的な動きが加速しつつあります。スリーマン・スポーツ・コンプレックスはその中でも、競技の舞台としてだけでなく、地域社会とのつながりや持続可能性の象徴として注目されることになりそうです。
そして、コアラやカンガルーも生息するこのエリアは、海外から来る選手たちにも喜ばれるでしょう。自然に囲まれた環境の中で競技に集中できることは、選手たちにとっても大きな魅力の一つとなるに違いありません。








