豪州の4大銀行の一つウェストパック銀行(Westpac Bank)から向こう12ヶ月の住宅価格予測が発表されました。政策金利が高い(つまり借入金が高い)状況においても各主要都市で価格は上昇。パースとブリスベンでは二桁の価格上昇が予測されています。際立っているのがパースです。2024年度においては8%の上昇であったものが、2025年度は14%の価格上昇が見込まれている状況です。私も1ヶ月程前にパース市内と近郊の不動産を視察してきましたが、確かに価格においては割安感を感じましたが、物件によっては宅地面積(分譲面積)が小さく、「これに家を乗せると結構キツキツだな」と感じました。つまり、パースの宅地は小さくすることで価格を抑えているということもできます。例えば、土地のm2単価がA$1,000とします。土地が500m2であればA$500,000(約5千万円)、250m2ですと、その半額つまりA$250,000(約2,500万円)ということになります(安く感じますよね)。では、宅地の値段を下げるために、みんなそうしてしまえば良いのでは?と考えがちですが、そういう訳にもいきません。土地の有効活用・用途・制限等は各都市部・市役所がその地域の特徴や目標に合わせて都市計画で司っています。例えば、ゴールドコースト市役所は「High Quality Life Style/上質な住環境」をテーマの一つにあげており、宅地の最小分譲区画は400m2としています。簡単にいうと、これ以下は特別な条件が伴わない限り許可がおりませんよ、となっています。一方で、パース近郊の市では最低区画は200m2というエリアもあります。当然ですが、そのような場所は住宅が密集しているところが少なくありません。都市計画の違いにより宅地の供給方法が変わってきますが、お金は安いところに多く流れるという自然原理を考えると、パースの不動産が今後上昇するという予測には私も同意するところがあります。
*データ出所 Wespac銀行/CoreLogic社