昔は、オーストラリアも日本と同様に大所帯が一般的でしたが、最近は徐々に平均世帯人数が下がってきています。つまり簡単にいうと一世帯に住む人の平均人数が徐々に減ってきているということです。豪州統計局によると1911年には平均住居人数が4.5人程であったものが、2021年には2.5人程となっています。実は日本でも同じようなトレンドです。これは何を意味するか?例えば、少し前までは1,000人人口が増えると222程の住居が必要でしたが、今はその約倍の450程の住居が必要となります。日本であれば、空き家問題が出るほど住居があり、増加分は吸収できる余地はあると思うのですが(数の理論上では)、豪州は全国的に慢性的な住宅不足で空室率が1%〜2%前後という状況で、まさに「家が足りない」のです。さて、豪州で2023年における直近の人口増加人数は約66万人です。先の統計局が公表している平均住居人が2.5ですので、66万人÷2.2人=26万4千の新規住宅が必要な筈ですが、実際に完成した物件は17万2千戸でこの年だけで9万2千戸の住宅が不足しているということになります。そして翌年には新たに人口が増え、住宅不足に拍車がかかるという状況です。不動産オーナーには有利な状況ではありますが、人が安心して暮らせ、幸せを育む住処が不足し続けることは決して良いことではないとは思います。賃貸借人の間で適当なバランスがあればお互いにとってメリットも生まれる筈です。
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オーストラリアの平均世帯人数と住宅供給数のギャップ