豪州の不動産投資(住居系)の長所を一言で括ると「安定的に資産価値が上昇する」に限ると思います。コロナ禍における急激な資産価値の上昇は、有事を乗り越えるための緊急な財政支出、金融緩和(政策金利が0.1%が16ヶ月以上も続きました)、そして労賃•資材の高騰により新規供給数が減少等、過去に例がない事が生み出しだ稀な現象と考えた方が良いかなと思います。さて、豪州の不動産は安定に限るといいましたが、安定が故にレバレッジを効かせた投資の旨みが発揮されないのも豪州の不動産の特徴です。一般論として住居用不動産の場合、価格に対して実質利回りが3%前後、価格の上昇率が3%前後、合計で6%前後が実質的な利回りになるイメージです(便宜上利回りという表現にしています)。これ以上はボーナス。これがある意味投資のベンチマークと考えると、ご自身が投資できる許容範囲のイメージが掴めると思います。簡潔にいうと、物件保有時には不動産価格に対して3%未満で資金が調達できないと(つまり借入金利が3%未満)、全て持ち出しになってしまうということです。日本で3%未満で調達できるのであれば良いのですが、豪州の融資会社で調達すると外国人の場合、借入金利は10%前後になります。つまり3%(実質利回り)から10%(支払金利)を引くと7%が不足します。もう少しわかりやすく説明すると、例えば、50万ドルの物件を買うと$15,000の収入がありますが、金利の支払いが$50,000あり、 差引で$35,000の赤字、つまり、このお金を準備しなけれければいけません(便宜上満額融資としています)。加えて維持費です。それも毎年です。時々お客様から「現地で融資を受けて豪州の不動産を購入したい」というご相談を頂くことがありますが、予測できる収支を考えると、大きな損失を負担できる、或いは損失を活かせるメリットがなければ、持続性は見えてきません。別のケースでは「完成前物件に手付金のみ自己資金で入れて、引き渡し前に転売をして利益を得たい。売れなければ融資を受けて持っていてもいい(借りれる保証はない)」という野心的な相談を受けることがありますが、これは「リスクをとって云々」という、まとまな投資の話ではなく無謀な話でしかありません。悪賢い不動産屋であれば「大丈夫いけますよ!」と言えるのでしょうが、少心者の私には「このような不動産投資はやめなさい。危ないですよ」としか言えません。。。。
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危険な不動産投資とは?