豪州準備銀行(日本の日銀に相当)は、高騰する物価を抑制するために2022年(今年)の5月から段階的に引き上げています。2020年11月から始まったコロナ対応策•政策金利は、0.1%で実に16ヶ月にもわたり超低金利が続いた訳ですが、物価が急激に上昇したため慌てて対応した感があり、5ヶ月連続、政策金利を改め現在は2.35%となっています。しかもこれで止まるわけではありません。これからの政策金利は上昇の基調で市場は一体どこで落ち着くのかと固唾を呑んで見守る状況です。当然ではありますが、低金利時に銀行からお金を借りて不動産を購入した方にはかなりの痛手です。例えば、 単純計算になりますが、$500,000を銀行から借りた場合で金利が2%であった場合、毎月の金利の支払額は、$833となります。これが4%になると、$1,666にな ります。6%になると$2,500になります。このインパクトは、かなり大きいはずです。。さて、不動産を購入した人の中に「あの人」の声明を聞いて「それなら いいよね。買おう」と決断した方もいるはずです。その方とは、実は豪州準備銀行の総裁です。その2021年8月の声明内容は英文ですと次の通りです。
The Board will not increase the cash rate until actual inflation is sustainably within the 2 to 3 per cent target range. The central scenario for the economy is that this condition will not be met before 2024.
簡単にいうと「政策金利(当時は0.01%)は、イフレーションが2%〜3%に落ち着くまで上げない。2024年までは、その状況は見込めない」です。つまり0.01%の政策金利は2024年まで変更ないと思うよ、暗示しているようにもとれるのです。市場は勿論反応しました。低金利が続くのであれば「不動産を担保にして買い」です。ところが、ここにきて一転して政策金利をどんどん上げるので、たまったものではありません。一時は総裁も避難を受けましたが、いつの間にかフェイドアウトした感がありますが、ただ政策金利を上げる度に「全くこの総裁は、あてにならない」と思われることは、ほぼ間違いないと思います。こんな凄い人でも市場を読み違えるのだから、お偉いさんの言うことを額面通り信用してはいけないな、と改めて思う今日この頃です。
※イメージはモーニングヘラルド紙が報じた記事の写真です。サブタイトルで「2024年まで金利を上げないと言ったことに対して非難が集中している」と記されています。
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あの人も見誤った昨今の政策金利の動向