先月5月21日に実施された総選挙で、野党労働党が勝利し、9年ぶりに政権が交代しました、そして、今月の準備銀行の定例政策決定会合で、インフレ抑制のため、金利を0.5%引き上げ0.85%とし、さらに今後数か月で追加利上げが必要であるとの見通しを示唆しました。
また、オーストラリアの労使裁定機関であるフェアワーク委員会(FWC)は6月15日、2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)の全国最低賃金を5.2%引き上げると発表。その結果、7月1日からの最低賃金は時給21.38オーストラリア・ドル(約2,010円、豪ドル、1豪ドル=約94円)、週給812.60豪ドルとなります。2006年以来最大の引き上げ幅となり、最新のインフレ率(5.1%)に応じて最低賃金を引き上げるべきとしていたアンソニー・アルバニージー首相の選挙公約を上回るかたちとなりました。FWCは今回の決定の背景について、「生活費の急激な上昇と労働市場の力強さを考慮した」と説明しました。
一方、財界団体オーストラリア産業グループ(Aiグループ)は「インフレを加速させ、さらなる金利上昇につながる可能性がある」と懸念を表明した。このように政権交代で、労働党が勝利したことで、早速、賃金が上昇し、労働党に票を投じた人にとっては、うれしい結果になりましたが、世界的にも高賃金になり、雇用する側にとっては、昨今のインフレ、金利上昇で経営環境が厳しくなる中、結果的に失業率が上昇するのではないかと不安になります、しかしながら、過去、最低賃金が上昇するたびに、そう思いましたが、経済成長を続けているので、オーストラリアの底力を感じます。現下の、世界的なインフレのなか、新政権がどのような舵取りをするか注目です。