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【メルマガ】ブリース洋子公認会計士事務所 2022年6月

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ブリース洋子公認会計士事務所
Yoko Briese Accounting & Business Services

寒い日が続いていますね。肌で感じる気温だけでなく、物価も急激に上昇しているので、お財布も寒いですよね。せめて気持ちは前向きになるように、新しい会計年度を迎えられるように、情報がたくさん詰まったメルマガをお届けします。

労働党が新政府となりましたが、タイミング的にも、全政府の予算案を引き継いだ内容が多いように思います。新政権での予算は、今年10月に発表される予定です。どんな新案がでてくるのか、ドキドキ、いや、ひやひやしながら待つこととします。

今月のトピック

7月から何が変わる?

・雇用主が積み立てるSG率引き上げ
・SG非課税額撤廃
・小規模事業者の分割納税額引き下げ
・COVID-19検査キット費用を経費とする場合の注意
・低・中所得者のための税金控除
・コントラクター VS 従業員

1)雇用主が積み立てるSG率引き上げ

2022年7月1日から、従業員の給与に対して積み立てるSuperannuation Guarantee(SG)が、現在の10%から10.5%に引き上げられます。毎年0.5%ずつ増加し、2025年7月に12%まで引き上げるのが狙いです。

従業員と取り交わしている雇用契約により、SG上昇の意味は異なってきます。雇用契約書に、従業員の給与が「総報酬(パッケージ)」(基本給+SG及びそのほかの手当)ベースであると記載されている場合、従業員の手取りは0.5%減少する可能性があります。総報酬のうちスーパーアニュエーション基金に充当される割合が多くなるからです。しかし、基本給にSGを加えた報酬の場合、手取りは変わらず、0.5%の増額分がSGの支払いに追加されます。

2) $450 SG非課税額撤廃

これまでは、月に$450未満の給与について、雇用主は従業員に対してSGを積み立てる義務はありませんでした。しかし、2022年7月1日より、$450上限が廃止され、18歳以上の従業員については、給与額にかかわらず、SGを支払う必要があります。この変更に対応できるような給与システムを構築しておくことが重要で、不用意にスーパーアニュエーションの支払いが不足することがないようにしましょう。なお、18歳未満の従業員については、週30時間以上勤務した場合のみ、SGが支払われます。

3)小規模事業者の分割納税の引き下げ

オーストラリアでは、事業所得や投資所得に対しては、年度内にPAYG Instalmentと呼ばれる分割予定納税を課しています。前年度の税申告の結果を元に、翌年度の納税額を予想し、その額を4回に分けて前払いさせ、税申告の際に納税額を調整する仕組みです。税申告の結果の納税額が予定納税合計額よりも上回れば差額を納税、下回れば還付がされます。また、GSTについても、年間の予定GST納税額を予想し、4回の分割払いをし、年度末に調整することができます(分割払いができる事業の条件があります)。 通常、GSTとPAYGの分割払いの金額はGDP調整、またはアップリフトと呼ばれる上昇率を使用して調整されます。2022-23年の所得年度では、政府はこのアップリフト係数を、従来適用していた10%ではなく、2%に設定しました。2%のアップリフト率は、以下の条件を満たす中小規模事業にのみ適用されます。

・GSTの分割払いの場合、年間総売上高が$1,000万まで。
・PAYG分割払いの年間総売上高が$5,000万まで。

この変更により、事業主にとっては、キャッシュフローの管理がしやすくなると思われます。

4)COVID-19検査キット費用を経費とする場合

出勤してもよいのか、職場に留まってもよいのかを判断するためにRATテストを購入した場合、2021年7月1日から発生した費用については、タックスリターンにおいて経費として申告することができます(費用を証明するものが必要)。ただし、下記の場合には、経費となりませんので、ご注意ください。

・自宅で仕事をしていて、職場に出勤するつもりがなかった場合
・検査キットが個人的な目的で使用された場合(例えば、子どもが通学できるかを確定するための検査など)

【独り言】 上記の「仕事に行くつもり」や、セットで購入した検査キットをどのように使ったかという証明は、難しい(汗)

5)低・中所得者のための税金控除

2021/22所得年度の低・中所得者向け税額控除(Low and Middle Income Tax Offset =LMITO)が増額されました。LMITOは、課税所得が$126,000ドルまでの個人に対して、最大$1,500の減税を提供します。ただし、LMITOは支払うべき税金を減らしますが、還付を受けることはできません(例えば、納税者の本来の納税額が$1,000で、LMITOが$1,500適用される場合、納税は、ゼロとなりますが、超過分の$500の還付を受けることはできません)。

6)Contractor VS Employee (コントラクターか従業員か)

事業主の多くは、従業員を雇わずに、独立したABNを持ったコントラクターと契約すれば、源泉徴収、退職年金保証、州税であるPayroll Taxや労災補償の義務はないだろうと考えています。しかし、それぞれの規則は少し異なっており、場合によっては、コントラクターでも従業員であるかのように扱われることがあります。誤った分類をした事業主には大きな罰則が科せられることもありますので、注意が必要です。 たとえ雇用契約に「コントラクター」と記載していても、それが実施されていなければ、「コントラクター」であるとは判断されません。
基本的に、本来のコントラクターとは、以下の条件を満たしている必要があります。

・自発的に意思決定をする(雇用主に言われることをするの反対)
・経済的に自立していること(雇用されている場合には、雇用主に大きく依存)
・利益を追求する(リスクを代償にした見返りとして)のであって、単に作業に費やした時間、技術、労力への対価を追求するのではない

【独り言】
コントラクターとは、個人事業主であり、一人の経営者です。経営者であれば、リスクは自分で負うでしょうし、仕事に使う機材も、自ら支給するか調達するでしょう。また、契約先がひとつということも、考えにくいでしょう。複数の契約先(顧客)が存在するはずです(例えば、マッサージ師であれば、顧客は複数いるはずです)。

上記の内容について、ご質問やコメントがありましたら、以下までどうぞ!
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