オーストラリアの連邦議会選挙が、来る5月21日に行われます。下院(任期3年)の151議席に加え、上院(任期6年)の76議席のうち40議席が改選となります、自由党と国民党から成る与党・保守連合の続投となるのか、あるいは最大野党・労働党が約9年ぶりに政権を奪取するのか、注目が集まっています。すでに、熱戦が展開されていますが、日本と異なり街頭演説的なものは、ほとんどなく、TVでは、もっぱら政党の代表が、選挙活動の一環で、学校訪ねて子供と遊んで、親しみやすい政党をアピールしたり、工場に行って、作業員と交わって、労働者の味方の政党ですと訴える、のような活動を展開しています、また、党首会談をテレビで行っており、これは、お互いを非難し、熱弁が興味深いです。この国では、選挙の投票は、国民の義務で、投票をしなかった場合は罰金が科せられます、罰金は$20と少額ですが、義務ということもあり、国民の政治に対する意識は高いです、国民は税金を支払い、その対価として、何を得ることができるのか、一つの投資であり、その投資のリターンを最大化してくれる政党を選ぶという行為である選挙は重要と考えていると思います。日本では、あきらめか、それともお上の決めたことは逆らわないという、昔からの意識なのか、投票率が低いことは残念です。
政党としては、上記の2大勢力(自由党と国民党連合と労働党)ですが、今回、22の政党が参戦していて、投票の方法が、下院では22の政党のなかから、支持する政党の順位を1- 6まで記入する方法か、それとも、政党から立候補している候補者(無所属も含む)から、支持する順位で、1ー 12までを記入しなければならないため、どの政党が、どのような政策を掲げているかを見極めないと順位がつけられません、すべての政党の政策を見ると時間が掛かるので、興味のある課題、例えば、外交政策、移民政策、住宅政策などの絞って、比較すると面白いです。移民は、積極的に受け入れるという政党もあれば、実質、移民ゼロ政策を掲げている政党もあります、また、現政権で、中国との関係を見直しましたが、政党によっては、中国との関係を強化しようという政党もあります、住宅関連では、投資物件の譲渡益税の50%割引やネガティブギアリング制度の廃止、非居住者の不動産購入の禁止、住宅ローンの金利を最大3%にする、ローンの$30,000は所得税の控除の対象にするなど、を掲げている政党もあります。選挙権の無い人も、政党のホームページなどを見て、支持する政党を選ぶことも面白いと思います。さて、今回、政権が逆転するか、それとも与党が続投するか、興味深いです。
*Australian Electoral Commissionのサイト:https://www.aec.gov.au/