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ブリース洋子公認会計士事務所
Yoko Briese Accounting & Business Services
こんにちは! 青空が気持ちのよい季節となりましたね。 QLD州境はOPENということですが、いろいろ厳しい条件、そして自宅で14日隔離ということもあり、まったくOPENという気持ちがしないのは、きっと私だけではないと思います・・・
それでも、日本行の航空券をご購入されている方も、ちらほらおられますから、是非出入国の実況中継をしていただきたいですね。
今月のメルマガをお届けします。
今月のトピック
・低・中額所得者への税金控除が延長される・・・かも
・海外からの贈与/相続、貸付にご注意
・給与計算担当者が同僚から給料を騙し取り、4年間の投獄に
・オーストラリア国税局が暗号資産と税金についてガイダンスをアップデート
低・中所得者への税金控除が延長される・・・かも?
連邦政府は、次の選挙に向けて、人気の高い税金控除を延長する可能性を示唆しています。
この措置は、2018年に連邦政府の減税政策の一環として導入されたもので、対象となる納税者が、期限内に申告書を提出すると、最大で1,080ドルの税制優遇措置が受けられるというものです。当初は2020年に期限切れとなる予定でした。しかしCOVID-19パンデミックの影響を受けて延長されましたが、2022年6月20日に期限切れとなる予定です。
モリソン首相は、減税を実現してきた現政権の実績を強調しました。こういった減税措置により、オーストラリア経済は、ロックダウンから立ち直ることができたという声もあります。しかし、この低・中所得者への控除については、「適切な時期」に決定するとしながらも、現段階では、この節税策の延長の確約も打ち切りも、明確にしていません。
延長されると良いのですが、その結果、次の年に増税ということになるのも困りますね・・・。
海外からの贈与/相続、貸付にご注意
オーストラリア国税局(ATO)は、ホームページにおいて、海外からの贈与や貸付に関しての、注意喚起を行っています。
特に懸念されているのは、オーストラリアでの納税を回避するために計画されたスキームや取り決めについてです。
一般的に、オーストラリアに居住する納税者は、オーストラリアの納税申告書(タックスリターン)において、全世界の所得を申告する必要があります。純粋な贈与/相続や貸付を受け取った場合には、オーストラリアでは所得とはみなされず、課税対象となりません。しかし、海外での資産売却利益(キャピタルゲイン)やその他の所得を、贈与や貸付と装ったケースが多くみられるとの事。
ATOが、海外からの資金が純粋な贈与や貸付であるかどうかの判断をする材料は、ケースバイケースですが、代表的なものとして、次のような例が挙げられています。贈与者が作成した贈与証書、贈与者の正式な身分証明書、贈与者の銀行口座のコピー、相続の場合には遺言書や遺産分割協議書などです。
海外から融資を受けた場合には、適切に作成された融資書類や、融資を受けた理由や目的を裏付けるその他の書類などを求められることがあります。家族からの書類は、融資の決定的な証拠として認められない場合がありますので、第三者による書類を用意しておく必要があるでしょう。
ご自身が海外から送金された資金について、ご心配なことがあれば、当所までお問い合わせください。
給与計算担当者が同僚から給料を騙し取り、4年間の投獄に
NSW州の元Payroll Officer(会社で給与計算などの人事に関わる費用を計算する人)が、同僚の個人情報を悪用して、18万ドル以上の税還付をATOに請求していたことが判明し、4年間の懲役刑を言い渡されました。
ATOによると、Payroll OfficerのFaisal Hasan Rasel氏は、28人の個人情報を騙り、29件の虚偽の所得税申告を行った結果、不正な還付金を得ていました。2015年6月下旬から2015年8月にかけて、Rasel氏は、信頼される立場を利用して、他人の個人情報にアクセスし、大規模な詐欺行為を行い、28人の異なる名前で所得税の申告書を提出したとされています。
虚偽の申告の結果、Rasel氏は合計64,541ドルを不正に入手し、他人の名前で開設された複数の偽造銀行口座に送金しました。更なる還付請求手続きがされていましたが、合計117,824ドルの還付金については、その支払いをATOにより停止されました。
この事件は起訴され、Rasel氏は、所得税の不正申告と虚偽の還付請求に関する5つの犯罪で、4年の服役という判決を受けることになりました。
この機会に、ATOは、myGovアカウントを定期的に確認し、疑わしい行動があれば報告するように呼びかけています。
オーストラリア国税局が暗号資産と税金についてガイダンスをアップデート
11月初旬になって、Commonwealth 銀行では、そのアプリであるCommBankにより、顧客が直接、暗号資産を売買し、保有することができるようになりました。Commonwealth 銀行はそういったサービスを提供できる、オーストラリア初の銀行となります。これは、暗号資産が何ら珍しくない、普通の資産になってきたと言えるでしょう。
とはいえ、暗号資産とは、ブロックチェーン*界のほんの一部にすぎません(*ブロックチェーンの定義については、↓をご参照ください)。
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd133310.html
NFT(Non-Fungible-Tokens)という偽造不可能な世界に、唯一無二のデジタル資産というものが存在し、ブロックチェーン技術を用いて、固有の価値を持ちます。例えば、CryptoKitties(クリプトキティーズ)というゲームでは、参加者は世界にひとつだけしか存在しない「仮想猫=クリプトキティーズ」を購入、収集、繁殖、販売することができます。このゲームでは、なんと、発売後数日間で100万ドル以上の仮想の猫が取引され、莫大な利益を得た人たちがいます。
NFTはアートの世界でも人気が急上昇しています。その理由は、資産の所有権がブロックチェーン上にあり、場合によっては、アート作品が売買される毎に、そのアーティストが一定のコミッションを得ることができるからです。つまり、最初にアート作品が販売された時だけでなく、その後に売買が繰り返されるたびに、収入を得ることができるので、アーティストが飢えることはありません。2021年3月にクリスティーズ社のオークションで6900万ドルで落札された、デジタルアーティストのBeepleによるNFTアートワークの販売事例は有名です。
ブロックチェーンへの投資の意味について、よく聞かれる質問について、オーストラリア税務局の見解を見てみましょう。
【暗号通貨のマイニングは収入ですか、それとも資産ですか?】
他人にサービスを提供して暗号資産を受け取った場合、これは収入になります(課税対象)。暗号資産を作った場合(マイニング=発掘)した場合には、資産を取得したことになります。 暗号資産が課税対象(キャピタルゲイン税)となるのは、暗号をオーストラリアドルや他の暗号資産と交換した場合です。
【ATOは、私の暗号取引について本当に把握しているのでしょうか?】
ATOは、納税者のコンプライアンスを追跡するために、デジタルサービスプロバイダ(DSP)や分析ソフトウェアなど、さまざまなソースを使用してデータを収集しています。特に暗号資産と暗号資産プラットフォームを対象としたデータマイニングプロジェクトがいくつか進行中です(なんだかすごいことになってきましたね)。
【私の暗号資産が盗まれた場合はどうなりますか?】
暗号通貨の秘密鍵(暗号資産の所有者であることを証明する機密データ)を紛失したり、暗号資産が盗まれたりした場合には、資本損失(キャピタルロス)として申告することができます。一般的に、交換可能なものは紛失ではありません。キャピタルロスを申告するためには、以下のような証拠を提出する必要があります。
・秘密鍵を取得した時期と紛失した時期
・秘密鍵が関連するウォレット(暗号資産を保管する場所)アドレス
・紛失または盗難にあった暗号資産を取得するために要した費用
・秘密鍵を紛失した時点でウォレット内にあった暗号資産の量
・ウォレットがその人によって管理されていたこと(例えば、そのひとの取引が、本人だと認証できる個人情報にリンクしているなど)
・ウォレットを格納するハードウェアをその人が所有していること
・その人のウォレットへの取引が、その人だと認証されているで口座、または、本人のIDにリンクしているデジタル通貨取引所から行われている
【私は趣味で暗号資産をマイニングしているので、税金を払わなく手もよいですか?】
残念ながら、趣味でマイニングをしても税金がかからないということはありません。税金を払わずに暗号資産を生成したり、取引したりできる状況は非常に限られています。
【私のNFTアートワークはどのように課税されますか?】
他の暗号資産と同様に、NFTは個人使用目的で保有することができます。個人使用資産とは、主に個人的な使用や楽しみのために保有している資産のことです。NFTは、以下の目的で保管または使用されている場合、個人使用資産ではありません。
・投資として
・営利
・事業活動
どのような目的で、資産を持っていたのかが、曖昧な場合もあります。最初は、個人的に使用し楽しむために取得されても、最終的には投資として扱われる場合もありますし、処分で利益を得ることが目的となったり、事業活動の一環として保管または使用される場合もあるからです。 このため、最終的に個人使用であったのかどうかを判断するのに、適切な時期は、その資産を処分する時です。
NFTの保有期間が長ければ長いほど、たとえ最終的に個人的な使用や消費のために使用したとしても、個人使用目的の資産である可能性は低くなると考えられています。
尚、1万ドル未満で取得した個人使用の資産から得た売却利益(キャピタルゲイン)は、課税対象となりません。 そのかわり売却による損金(キャピタルロス)もすべて無視されます。収集品としての資産は、個人使用目的の資産として分類されず、キャピタルゲイン税の対象となることもあります。
上記の内容について、ご質問やコメントがありましたら、以下までどうぞ!
info@ybabs.com.au
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