2020年3月にコロナパンデミック宣言をして以来、オーストラリアは国境を閉鎖した状況が続いていますが、10月1日にオーストラリア首相のスコットモリソンは、プレスリリースを発表しました。それによると、現在、ワクチン接種率が上昇し、1回目の接種率が78%、2回目が55%を上回ったことで、11月には、オーストラリア国籍保持者、永住権保持者で、かつ、政府承認のワクチンを接種した人を対象に、現在、14日間の州政府が指定した宿泊施設での隔離から、自宅での7日間の隔離に緩和するとのことです。ただし、ワクチン未接種者、もしくは、未承認ワクチン接種者は、引き続き14日間の隔離が必要です。政府としては、これを機に海外からの旅行者に対してもワクチン接種を条件に開放したい意向です。しかしながら、オーストラリアの場合、州ごとに規制をしていることから、接種率が低い州では、11月の国境開放も接種率の推移を見ながら、慎重に対応する考えです。よって、接種率が一番高いNSW州(一回目88.5%、二回目67.5%)が国境を開放して、海外からの飛行機で到着しても、自宅が他州の場合は、自宅隔離はどこでするのか?他州への移動は、公共交通機関が利用できるのか?まだまだ、不透明なことが多いのが現実です。10月4日付、他州の接種率は下記のとおりです。VIC州(82.3%、52.8%)、QLD州(67.6%、48.7%)ACT地区(93.3%、67.3%)、WA州(66.6%,48.5% ),SA州(69.5%,51.5% )、NT州(66.8%,53.8%),TAS州(77.5%,60.1% )
オーストラリアの不動産市場は、9月末における過去1年間で住宅価格は約20%上昇しましたが、国境が解放されると海外からの移住者や投資家も、改めて不動産購入に動く可能性が高いです。これだけ不動産価格が上昇すると、住宅購入が、一般の国民にとって、だんだん、手が届かなくなってきています。実際、初めて住宅を購入する人の融資承認者数は、今年の1月から7月では、前年対比で約20%減少したとのデータもあります(不動産データ会社CORLOGIC社データ)。今後、過熱した不動産市場に対して、政府が対策を講じる可能性もあり、国境が解放されて、不動産市場がどのようになるかは、注視が必要です。