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ブリース洋子公認会計士事務所
Yoko Briese Accounting & Business Services
こんにちは。温かい日が続いていますが、もう冬は終わりなのでしょうか?それとも、油断させられているのでしょうか? ゴールドコーストも少しお洒落になって、冬服のセールなどがあり、我が家でも、ちょっとカッコいいコートをみんなが買い込みました。でも、もしかしたら、着る機会がなくて、やっぱり、おしゃれとは程遠い、Tシャツに短パン、ビーチサンダルを着用することになりそうです・・・
7月のメルマガをお届けします。
今月のトピックは、
・スーパーに関するお知らせ
・ ATOに申告された変な経費(そして認められなかった)発表
・法定賃金を下回ることへの懲罰が厳しくなる可能性について
スーパーについて
その① 保険とスーパー
皆さんは、スーパーアニュエーションには自動的に保険が含まれていることをご存知ですか? 2019年6月30日までは、スーパーアニュエーションファンドのメンバーになると、加入の意思がないことを告げない限り、自動的にファンドが決めた生命、高度障害保険に加入することになっています。
保険料は、メンバーのスーパー積立額より差し引かれます。多くの人が、こういった保険がスーパーに組み込まれていること自体気が付いていません。知らない間にスーパーの積立額が目減りしてしまいます。
そこで、2019年7月より、16カ月以上積み立てがされていないスーパーの口座で、自動的に付随された保険については、本人が希望しない限り、加入継続を禁止することになりました。
そうは言っても、スーパーに組み込まれた保険は、他の保険に比べて低価で、加入が簡単であるため、保険への加入継続を希望する場合もあるでしょう。そのため、スーパーファンドは、メンバーの保険ポリシーをキャンセルする場合には、その旨知らせ、チョイスを与える必要があります。
その② 迷子のスーパーのゆくえ
オーストラリアでは、誰のものか分からなくなっている「迷子のスーパーへの積立額」が、175億ドルあると言われています。2019年7月より、スーパーファンドは、残高が6千ドル以下であるメンバーの積み立てについては、1年に2度、オーストラリア国税局に報告することが義務付けられました。
ファンドに積み立てられたスーパーの残高が6千ドル未満で、16カ月経過しても積み立てがない場合には、その残高は、自動的にオーストラリア国税局 (ATO)の(その人の)口座に移され、ATOはその人の他のスーパーファンドに送金し、まとめていくようにするということです。迷子のスーパーを見つけて、ひとつのファンドに積み立てていくというのが目的のようです。
【例】
Xさんは、Aファンドに5千ドル、Bファンドに3万ドル、Cファンドに2千ドルに積立額があります。主にBファンドしか使っておらず、AとCファンドには、ここ2年程積み立てもしていません。AとCファンドは、ATOに対して報告、送金します。ATOは、XさんのBファンドに、AとCファンドから集めた7千ドルを送金します。これにより、XさんのファンドはBファンドだけになり、全部で3万7千ドルが積み立てられたことになります。)
その③ スーパー手数料
スーパーファンドの残高が低額(6千ドル未満)であっても、これまでは、高額の手数料が引かれていました。しかし、2019年7月1日より、こういった手数料を3%にキャップすることがファンドに義務付けられました。もしも3%以上を差し引いた場合には、3カ月以内にメンバーに還付することが義務付けられました。
ATOに申告された変な経費!?
税金を減らすためには、涙ぐましい努力も時として必要ですが、認められないものは認められません・・・ATOは、昨年度、納税者により申告されたもので、経費としては認められなかった費用の中で、最も「変な」ものを発表しました。
70万人近くの納税者が、歯科費用、育児、さらにはレゴセット(!)など、約20億ドルの「その他」の費用を経費としてタックスリターンで申告しました。また、ATOが査定した結果、納税者の中には、養育費、私立学校の授業料、健康保険の費用、医療費など、いくつかの私費を誤って経費として申告していることが判明しました。
ATOは、単に間違いで申告した場合には、経費として認めないという処置に留まるが、多額でしかも故意に不正な主張をする場合には、罰則が適用されることがあるとしています。
「経費」は、納税者の「収入」に直接関係しているべきで、納税者は、「経費」のインボイスや記録を持っている必要があります。
さて、ATOが最も法外だとする主張のいくつかと筆者の気持ちを以下に発表します!
*レゴセット - 年間を通して購入した子供用のレゴキットの費用 (どんな理由が考えられるのでしょう?とツッコミを入れたくなります)
*スポーツ用品や子供の運動選手の会費 (これもバカにならないですよね)
*自動車 – 多くの納税者が新車の購入額を主張しようとしたようです (ああ・・・)
*子供の養育 - ある納税者は、 「双子を育てる費用」を主張し、ある納税者は「3人の子供を育てる費用」を主張しました。この他にも、学校の制服、学童保育の費用、および学校の授業料と費用を請求しました。(気持ちはよくわかります)
*医療費 – 多くの納税者が、歯科医療の請求 (これは、昔は控除がありましたからね)
*結婚披露宴 – 納税者の結婚披露宴の費用 (これは、だめでしょ)
法定賃金を下回ることへの懲罰が厳しくなる可能性
どうやら、法定賃金を支払わない雇用主があまりにも多いために、政府は強硬手段に出る・・かもしれません。
スコット・モリソン首相は2019年7月30日に、オーストラリアの職場法のより広範な改革を推進する中で、労働者の搾取を犯罪とする法案を起草していると発表しました。
新しい法律が導入されれば、法定賃金を支払わない事業主に、投獄の刑罰が下される可能性があり、オーストラリアの職場法の大改革が推進されることになるとしています。
つい最近、セレブシェフであるジョージ・カロンパリスが、従業員に対して法定賃金を780万ドルも下回る額を支払っていたとして、20万ドルの罰金を支払うことになりましたが、司法長官のクリスチャン・ポーター氏は、今週初めに、その罰は「軽い」と表現しています。
この訴訟は、規模の大小を問わず、近年明らかになっている一連の賃金窃盗事件のうちの最新のものに過ぎず、Michael Hill、Super Retail Group、Lush Cosmetics、Domino’s、7-Elevenなどは、過去10年間で法定賃金を下回る金額を従業員たちに支払っていたことが明るみに出ています。
これらのケースが、雇用主により故意に行われたかどうかということを証明するのは難しいことですが、現在の法律では、事業が法定賃金を下回った金額を従業員に支払った場合、それにかかわった個人にも責任はあるとなっています。従って、事業が責任を免れるために自発的に清算してしまったとしても、該当する個人への責任は問われ続けます。その個人が意図的にしたことかどうかを証明するのは、大変困難なことです。
ただし、現在のAward(各業界用の労働法)は、解釈が難しく、特に小規模事業主は意図的でなくても間違いを起こしやすいとの指摘もあります。構造的な改革が必要ではないかという声が上がっているようです。
どちらにしても、雇用主にとっては、大変頭の痛い問題ですね。
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