ここ数年、海外、特に中国からの不動産投資が活況を帯びていましたが、ここにきて、大幅に減少したというデータが発表されました。
2017年の会計年度(2017年7月1日から2018年6月30日まで)において、過去十年で最低の不動産投資額130億ドルとなり、ピーク時からみると58%の減少です。
原因は、中国政府による、国外投資規制、非居住者への融資抑制や追加課税など影響したのでないかと推測されています。
今週月曜日、外国投資審査委員会(FIRB)は、「昨年、10,036件の外国人による居住用不動産購入を承認し、その半分近くがヴィクトリア州(メルボルンがある州)で、8000件以上が、新築物件、土地などで、1,615件が、中古住宅。中国人による居住用不動産への投資額は、127億ドルとほとんどを占めるが、前年度対比では、17%減少」と発表しました。
下記のグラフは、FIRBが承認した州別のグラフです。
UBS銀行のエコノミストによると、外国人の投資減少が、オーストラリアの居住用不動産マーケットに悪影響を与えるだろう、されにGDP(経済成長)と雇用悪化にもつながるだろうと予想しています。
また、本来、非居住者は中古住宅を購入できませんが、違法で取得し、強制的に売却した件数は、131件に上り、前年の96件より増加しました。違法取得の53.7%は、ビクトリア州の物件で、20%がニューサウスウエールズ州(シドニーがある州)、2017年度は、全体で、600件の違法取得があったとのことです。
昨年、メルボルンを訪れたときに、中国系の人の多さに驚きましたが、上記の数字で納得しました。
海外からの不動産投資にかんしては、過熱すると価格の高騰に繋がり、それを抑制しようと様々な政策を施しますが、居住用不動産の供給、景気、雇用にも影響を与えるので、バランスのとれた政策が望まれます。