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:不動産編

オーストラリア国勢調査2021の結果発表

昨年、2021年8月21日に実施した国勢調査の結果が、昨日、オーストラリア統計局(ABS)から発表されたので、興味深いデータを紹介します。

*人口:25,422,788人 前回実施した2016年から8.6%の増加。過去50年間で倍増。男性の割合が49.3%で、年齢中央値が37歳。女性の割合が50.7%で、年齢中央値が39歳。なお、日本の年齢中央値は48.4歳で、世界で最も高齢化が進んだ国。オーストラリアは約10歳若い国です。世代別の割合をみると、ミレニアム世代(25‐39歳)とベイビーブーマー世代(55歳から74歳)が最も多く、両世代ともに21.5%。州別の人口では、シドニーがあるNSW州が最も多く約800万人、次にメルボルンがあるVICTORIA州が約650万人、そして、ゴールドコーストがあるQLD州が約510万人です。人口の約80%が東海岸沿いに住んでいます。なお、人口の約半分が、海外で生まれたか、もしくは、親のどちらかが海外で生まれたという移民国家であることが示されました。

*宗教:43.9%がキリスト教ですが、無宗教が38.9%で前回、2016年が30.1%でしたので、無宗教が増加しました。

*住宅:持ち家が66%(内35%が融資を得て購入)、賃貸が30.6%。なお、日本の持ち家率は、60.9%。

*収入:オーストラリアの週収入中央値は$805、年収にすると$41,860。なお、日本の年収中央値は約399万円。世帯別にするとQLD州は$1,675、NSW州は$1,829。前回、2016年時点の週収入中央値は$662でしたので、約20%上昇。

これらのデータは、調査の一部です、興味のある方は、ぜひ、統計局のサイトをご覧ください。

【Australian Bureau of StatisticsのHP内、Census(英語)】https://www.abs.gov.au/census

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*画像は2021 Census AustraliaのFBより

最低賃金を引き上げ

先月5月21日に実施された総選挙で、野党労働党が勝利し、9年ぶりに政権が交代しました、そして、今月の準備銀行の定例政策決定会合で、インフレ抑制のため、金利を0.5%引き上げ0.85%とし、さらに今後数か月で追加利上げが必要であるとの見通しを示唆しました。

また、オーストラリアの労使裁定機関であるフェアワーク委員会(FWC)は6月15日、2022/2023年度(2022年7月~2023年6月)の全国最低賃金を5.2%引き上げると発表。その結果、7月1日からの最低賃金は時給21.38オーストラリア・ドル(約2,010円、豪ドル、1豪ドル=約94円)、週給812.60豪ドルとなります。2006年以来最大の引き上げ幅となり、最新のインフレ率(5.1%)に応じて最低賃金を引き上げるべきとしていたアンソニー・アルバニージー首相の選挙公約を上回るかたちとなりました。FWCは今回の決定の背景について、「生活費の急激な上昇と労働市場の力強さを考慮した」と説明しました。

一方、財界団体オーストラリア産業グループ(Aiグループ)は「インフレを加速させ、さらなる金利上昇につながる可能性がある」と懸念を表明した。このように政権交代で、労働党が勝利したことで、早速、賃金が上昇し、労働党に票を投じた人にとっては、うれしい結果になりましたが、世界的にも高賃金になり、雇用する側にとっては、昨今のインフレ、金利上昇で経営環境が厳しくなる中、結果的に失業率が上昇するのではないかと不安になります、しかしながら、過去、最低賃金が上昇するたびに、そう思いましたが、経済成長を続けているので、オーストラリアの底力を感じます。現下の、世界的なインフレのなか、新政権がどのような舵取りをするか注目です。

昨今のオーストラリア不動産市場

オーストラリア準備銀行は、先月、2020年11月以降、据え置いていた過去最低の政策金利0.1%を、0.35%に引き上げましたが、明日の定例会議(毎月第一火曜日に開催)において、現下のインフレなどを考量すると、さらなる引き上げが行われる、とメディアでは予想されています。先月の金利引き上げにより、オーストラリアの住宅価格は、金利が上昇するという不安が影響し、全国で前月比0.11%下落し、2020年4月ぶりに下落したと、不動産調査会社プロップトラック社が伝えました。主要都市別にみると、シドニーで0.29%、メルボルンで0.27%と下落、一方で、ブリスベンは0.35%、アデレードは0.58%上昇しました。このように、各都市別でみると、一律で下落しているわけではありませんが、明日、金利が再び上昇すると、全国的に下落する可能性もあると、同社のエコノミストは述べています。

建築業界では、ここ数か月、建築資材の上昇、労働力不足、洪水、ロックダウン、長雨などの影響で、建築業者が経営危機に陥り、PROBUILD社、3月にはアパートメントを中心に開発していたCONDEV社が進行中の約10億ドル、18のプロジェックを抱えたまま倒産。5月には、分譲住宅を提供していたPIVOTAL HOMES社が倒産、同社の倒産により、建築中の物件や建築契約済みの物件、併せて200件以上の案件が、宙に浮いた状態になってしまいました。また、今日のニュースでは、図面売りで、全79戸を完売済みの140億ドルのアパートメント開発を、昨今の急激な建築コスト上昇を理由に建築を中止すると伝えていました。このようにコロナ感染、ウクライナ侵攻、天災など、様々な要因で影響を受けている世界経済の中で、オーストラリアの不動産市場がどのように推移していくか、目が離せない状況は続きそうです。

オーストラリア連邦議会選挙 5月21日

オーストラリアの連邦議会選挙が、来る5月21日に行われます。下院(任期3年)の151議席に加え、上院(任期6年)の76議席のうち40議席が改選となります、自由党と国民党から成る与党・保守連合の続投となるのか、あるいは最大野党・労働党が約9年ぶりに政権を奪取するのか、注目が集まっています。すでに、熱戦が展開されていますが、日本と異なり街頭演説的なものは、ほとんどなく、TVでは、もっぱら政党の代表が、選挙活動の一環で、学校訪ねて子供と遊んで、親しみやすい政党をアピールしたり、工場に行って、作業員と交わって、労働者の味方の政党ですと訴える、のような活動を展開しています、また、党首会談をテレビで行っており、これは、お互いを非難し、熱弁が興味深いです。この国では、選挙の投票は、国民の義務で、投票をしなかった場合は罰金が科せられます、罰金は$20と少額ですが、義務ということもあり、国民の政治に対する意識は高いです、国民は税金を支払い、その対価として、何を得ることができるのか、一つの投資であり、その投資のリターンを最大化してくれる政党を選ぶという行為である選挙は重要と考えていると思います。日本では、あきらめか、それともお上の決めたことは逆らわないという、昔からの意識なのか、投票率が低いことは残念です。

政党としては、上記の2大勢力(自由党と国民党連合と労働党)ですが、今回、22の政党が参戦していて、投票の方法が、下院では22の政党のなかから、支持する政党の順位を1- 6まで記入する方法か、それとも、政党から立候補している候補者(無所属も含む)から、支持する順位で、1ー 12までを記入しなければならないため、どの政党が、どのような政策を掲げているかを見極めないと順位がつけられません、すべての政党の政策を見ると時間が掛かるので、興味のある課題、例えば、外交政策、移民政策、住宅政策などの絞って、比較すると面白いです。移民は、積極的に受け入れるという政党もあれば、実質、移民ゼロ政策を掲げている政党もあります、また、現政権で、中国との関係を見直しましたが、政党によっては、中国との関係を強化しようという政党もあります、住宅関連では、投資物件の譲渡益税の50%割引やネガティブギアリング制度の廃止、非居住者の不動産購入の禁止、住宅ローンの金利を最大3%にする、ローンの$30,000は所得税の控除の対象にするなど、を掲げている政党もあります。選挙権の無い人も、政党のホームページなどを見て、支持する政党を選ぶことも面白いと思います。さて、今回、政権が逆転するか、それとも与党が続投するか、興味深いです。

*Australian Electoral Commissionのサイト:https://www.aec.gov.au/

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日本の資産所得倍増プランって???

日経新聞で、岸田文雄首相は、5日にロンドンの金融街シティーで講演し「『資産所得倍増プラン』を進める」と明らかにした、との記事をみました。今までは「所得倍増プラン」という目標があげられることが常だったので、少し唐突感はありますが悪くないプラン(考え)だと個人的には思います。所得倍増は一生懸命働いて給与を沢山もらう、一方で資産所得は稼いで貯めたお金(或いは譲ってもらった資産 • お金)に働いて貰って、お金をさらに増やす、ということ。日本には2000兆円ともいわれる個人の金融資産があり、政府はそのうちの現金 • 預金の1000兆円を投資に振り向けさせるということのようですが、問題はその投資先を日本国内に留めておこうとする思惑があることです。日本政府が個人資産の海外流出を抑えることは自然な考えと思いますが(今、中国も盛んにやっています)、逆の発想として、「投資先は日本国内に限らず海外投資もどんどんして沢山稼いでください、そして儲かったらその分少し分前(つまり税金)をください」の方がもっと個人の預金は動くように思います(海外投資というと夢もあるし)。相手国との租税条約などもあり、取り分の調整は必要かもしれませんが、何しろ何をしても動かない1000兆円単位の現金・預金の動かすには従来の守り(主に企業 • 政府を)ではなく、個人投資家の目線に沿った、つまり個人が本当に豊かになれるように投資の選択肢の拡大等、大胆な発想が必要なのではないかと思います。海外の投資先としては是非共、オーストラリアの不動産を加えて頂きたいものです(このブログの思惑丸見えですね)

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オーストラリアの不動産は上がり続けるのか?

お客様から「オーストラリアの不動産は高くなりましたね、すごいですね。これからも高くなりますか?」というご質問をよく頂きます。過去33年間こちらで不動産業に携わってきた経験値から言っても、今回の価格の上昇率は確かに過去にないものです。
今回の価格の上がり方の特徴は、全ての都市•地方都市•地方部で急激な価格上昇が見られたという点で、これは「すごい」の表現に当てはまります。では、今後も上がり続けるか?という質問に対しては、「それはないと思う」という見方が適当かと思います。正確に言うと「全体的には価格の調整局面があり、その後、価格下落に転じる。特徴として、今後はエリア毎、そして価格帯により価格増減が顕著になってくる」です。エリア毎の掘り下げは、次回に説明するとして、全体的な価格が調整局面を迎える根拠としては、コロナ対応策として政府の大規模な財政支出•金融緩和策(政策金利0.1%)で不動産の価格が上がりやすい環境が、一気に整い、不動産が急激に上昇したこと(添付グラフを参照)、ただ今後は、景気の加熱に伴い、金融の引き締めは避けられない状況であることと、不動産融資の審査を引き締め、融資の蛇口を徐々に引き締めていく施策が現実的に、とられていることから、方向性としては、価格上昇は抑えられていくことになります。不動産価格は、今も上昇していますが、上昇率は2021年の6月をピークとして下がり始めていますので、このことからも、全体的なながれとしては、調整の方向にあると思います。全体的な流れとしては以上ですが、だからと言って、全ての不動産が調整局面を迎えると言うことではありません。例えば、過去2年間、この国は移民を受け入れていません。今年の後半や来年から徐々に受け入れを開始するはずです。ただでさえ住宅不足の状況の中で、新たな市場が入ってきますので不動産に影響を及ぼさないわけがありません。ゴールドコーストはライフスタイルそのものが価値として浸透しつつあります。その辺りも含めエリア毎に観察をしていく必要があります。

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オーストラリアの地上げ屋さんは怖くない

日本では「地上げ」というと、少し怖いイメージがあるかと思います。地上げをする土地に家やマンションがあると、住人に対して「あの系」の人達が「地上げ屋」として手段を選ばず嫌がらせをして退去させる。バブルの時は、その行為が顕著になり社会問題としても取り上げらた程です。一方、豪州では「地上げ」はとてもスマート(賢い)なビジネスとして受け入れられています。勿論、業界用語があります。「地上げ」という負のイメージを抱かせるような言葉ではなく(日本人にとっては)、「Amalgamation」といいます。直訳すると「まとめる」という意味になります。地上げをする大きな目的は土地の面積を大きくして容積率(つまり床面積)を高め、デザイン性に柔軟性を持たせることにつきます。容積率が高くなると分譲できる住居数が増えるために利益率が高くなります。地上げ屋はそれを見越して適当な案件を見つけ、そして、その周辺の土地をまとめて、開発業者に高く転売する訳です。では対象の土地に家やマンションがある場合はどうなるか。。?実は、日本のように住人に対して嫌がらせなどする必要は全くありません。オーストラリアでは日本で言う定期借家の期間がたったの6ヶ月〜12ヶ月なのです。更に、満期を迎えた時点で、ほぼ自動的に空室の状態で所有者に戻ってくるので(法律でそのようになっています)、地上げ屋は、基本「待つ」だけで良いのです。どうですか?こちらで一儲けしたいのであれば「地上げ屋」になるのも一案です。ただ、地上げ屋ですと、やはり日本人は聞こえが悪いので、「投資家」の方がいいかもしれません。。

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ゴールドコースト・トラム 第3期工事

ゴールドコーストの便利な交通手段である「トラム(路面電車)」の第3期延伸工事プロジェクトの官民連帯事業権を、日本の商社「丸紅」が、過去の工事をおいて出資をした事業会社「ゴールドリンク」社(丸紅が約30%の権益を保有)が取得したと報道されました。ゴールドリンクは、設計や建設、資金調達、運行、保守を行っています。建設工事は、年内に開始し、2025年に完成予定とのことです。第3期延伸工事は、同トラムを南に約6.7キロメートル延伸するもので、ブロードビーチからマイアミビーチを経由して、バーレーヘッズまで伸ばし、8駅を新たに設置する予定です。ここ数年、この地区は、再開発が著しく、多くの高層アパートが竣工、また、現在、建設しており、不動産価格も上昇し、ますます、発展することが予想されます。また、この地区は観光客にも人気で、多くの観光客がトラムを利用すると思います。ますます、便利になりそうです。

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速報!!ゴールドコーストの戸建て価格 A$1Mを超えた

先週、発表されたオーストラリアの不動産調査会社「コアロジック社」の調査結果によると、ゴールドコーストで、2022年1月に販売された戸建て住宅の中間価格が、ついにA$1,000,000(A$1M)(日本円で約8,500万円)を超えました、なお、アパートはA$597,483(日本円で約5,080万円)でした。4、5年前にシドニーでA$1Mを超えたときには、オーストラリアの不動産も高くなったなと思いましたが、ゴールドコーストの価格が、これほど早いペースでA$1Mを超えたことは驚きです。コロナ禍での、金融緩和、低金利政策などが起因していますが、2021年1月から2022年1月までの1年間で、戸建て中間価格は36.3%、アパートの中間価格は26.7%上昇しました。1月は、例年、不動産市況は活況を呈しますが、今年は、コロナ禍で閉ざされていた州境が開放されて、他州からの購入者が増加したことも上昇の一因です。このような話をすると、不動産業界は景気がいいなと思われるかもしれませんが、一方で、昨日のゴールドコーストブリテン新聞では、ゴールドコーストで実績のある大手建築会社のCONDEV社が、資材高騰、労働者不足による賃金上昇、先日の洪水などの影響で、経営状況が悪化して、救済を求めているという記事が掲載されていました、興味深い話としては、木材は多くは、ロシアから輸入しており、今回のロシアによるウクライナ侵攻に対する経済制裁の影響を受けたとの記載でした。コロナが落ち着いてきたと思うと、ウクライナ侵攻によりガソリン価格が高騰(1L当たりA$2を超えました)し、流通コストが上昇して物価が上昇しています、また、世界的に株価も下落しています、今後の世界情勢が不動産価格にどのように影響を及ぼすか、目を離せません。

差押物件は安く買えますか?

差押物件は安く買えるので、そのような物件を紹介してくれませんか?というお問い合わせを頂くことがあります。日本とか米国では差し押さえ物件は市場価格より、かなり安く、場合によっては破格で購入できるということのようです。私は日本と米国の仕組みがよくわかりませんが、豪州ではどうでしょうか?

「差押物件」とは簡単に言いますと、ローンを支払えなくなった人(つまり債務不履行の状態)の物件を銀行が抵当権で確保(つまり差押)している物件です。その物件を売却して、未払いのローンや利息を回収する訳ですが、その物件を売却する際に、一つはフォークロージャー(Foreclosure)、もう一つはExercise Of the poer of sale(エクササイズ オブ パワー オブ セール) という二つの方法が一般的にとられます。日本の投資家の方がいう差押物件とは往々にして、フォークロージャーを指しているように思います。オーストラリアではエクササイズ オブ パワー オブ セールが大半を占めています。二つとも債権者(つまり銀行)主導で売却がされる訳ですが、決定的な違いがあります。それは、フォークロージャーは、物件の所有権が銀行に「移転」して売られること、そして、エクササイズ オブ パワー オブ セールは、所有権は借りている人が持ったまま売却されることです。もう少し掘り下げると、フォークロージャーは、仮に貸付金が全額回収できなくても借主にはお咎めなし、一方、エクササイズ オブ パワー オブ セールは貸付金が全額回収できない場合には借主にその差額を請求するという仕組みです(業界では前者はノンリコースローンで後者リコースローンと言います)。さらに掘り下げると、売る側の責任も異なってきます。フォークロージャーの場合は銀行次第ですが(資金が早く回収できれば良い)、エクササイズ オブ パワー オブ セールは「適正な市場価格」で売却することが法律で義務付けられています。何故かと言いますと、銀行が単に資金回収のために物件を安く売るということは、借主にその負担が跳ね返ってくるからです。そこを法律で保護している訳です。ということで、説明が長くなりましたが、豪州では差押物件が市場価格より、かなり安く買える、破格で買える、ということは、かなり稀なケースかと思います。勿論、景気と市場が悪いとき差押物件をかなり安く購入できるケースは見てきましたが、米国のように景気の動向で差し押さえ物件が市場に溢れでて、安価で買えるという状況はあまりないように思います。ちなみに、エクササイズ オブ パワー オブ セールの物件は「Mortgagee Sale」という表示がなされることが一般的です。ブログを書きながら、当地において過去に何件のフォークロジャーセールがあったか少し調べましたが、なんと、過去35年において1回しか記録されていませんでした。。。前出の「大半」ではなく「全て」エクササイズ オブ パワー オブ セールで売却されるようです、と訂正します。

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