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不動産売却ガイド

基礎知識

オーストラリアで不動産の売却を検討されている方へ。まずは大まかな情報や売却のプロセスをご確認ください。

不動産を売却する際には何かと不安がつきまとうかと思います。日本とは商慣習が違う国での取引となると尚更のことです。不動産の売却についての大まかな流れを予め掌握しておきますと少しは緊張感がほぐれ、安心して売却に望めると思います。ここでは、初めて不動産を売却するにあたり理解しておかなければならない基本的なポイントを簡単に紹介しています。大まかではありますがご参考下さい。

先ず、オーストラリアの不動産業者と日本の不動産業者の違いをまとめました。
オーストラリアの不動産業者は仲介業のみを行います。買い取り等はしません。

日本では不動産業者が売り主から不動産を買い取る事も"業"として行っていますが、オーストラリアの不動産業者は売り主のエージェント(販売代理)のみを"業"として行うことを義務づけられており、エージェント自身が売り主から不動産を買い付ける行為は業法上規制されています。業者と売り主がプロ同士であればよいのですが、通常売り主側は不動産については素人が多いと考えられるので、不動産業者と取引をした際に不利益(業者に安く買いたたかれる等)を被らないように厳しく規制されているわけです。

広告費(実費)は売り主が負担します。不動産業者は広告計画&予算編成、掲載の段取りのみ行います。

日本では不動産業者が販売にかかる販促経費を負担しますが、オーストラリアでは売り主(依頼主)が広告費を負担します。不動産業者は販売の広告計画や予算等を準備し売り主にご提案し、売り主から了承を得た内容で宣伝をします。日系の不動産業者では営業的配慮から広告費や経費を一部負担する事もありますが、オーストラリア人経営の会社が広告費や経費の一部負担等に応じる事はありません。

内覧の前の準備、そして第一印象が大事です、物件のプレゼンテーションをアドバイスします。

大切な不動産物件を少しでも高く売却するためには、物件内覧ための十分な準備が必要です。まず、事前に物件に問題があるかを知ることが大切です、天井に雨漏れの形跡がある、壁にカビが生えている、水道管からの水漏れがある、など、実際に住んでいると見落としがちな点を内覧者は指摘し、購入意欲を削ぎます。それを防ぐためには、まず、専門業者による建物調査を実施、問題点を発見し、それらを修繕することをお勧めします。また、物件に対して好印象を持ってもらうために、見た目も良くしましょう、ドライブウエーのクリーニング、庭の整備、玄関ドアの塗装など、小さなことでも、印象が変わります。

不動産業者の選択
成功の可否は不動産業者選びから。

初めて不動産取引をされる方には日系の不動産会社(日本人が経営)、或は日本人営業が在籍しているオーストラリア人経営の不動産業者に連絡し情報収集をすることをおすすめいたします。不動産取引の免許を所有せずに営業しているブローカー的な業者には要注意です。不動産取引には大きな金銭がからみますので、先ずは不動産業者の事務所を訪問し、免許の有無の確認をしてください。また販売担当者との面談時には、取引事例、売却実績、信託口座の有無、その他留意点等を確認する事をおすすめいたします。

不動産業者のライセンスの有無 ブローカー的な業者には注意が必要。
営業所&事務所の有無 営業所、或は事務所を構え営業しているか確認。
各団体の会員加入の有無 不動産協会や個人情報取り扱い、不動産調査会員は不動産業を営む上で最低加入されなければいけない団体です。
売却実績 売却実績、集客方法、内覧実績、ネットワーク体制、その他業務に関わることの確認。
信託口座の有無
(通称トラストアカウント)
売買の手付け金を自社の営業口座に入れる会社は要注意(違法です)。
▼不動産ライセンス&各種加盟団体
クィーンズランド州
不動産取引ライセンス
クィーンズランド州
不動産協会正式会員
Real Estate
Institute of Queensland
オーストリラア全土
不動産調査会社会員
RP DATA
個人信用調査データ取り扱い
正式会員
入居希望者の信用調査の実施
資格会員
クィーンズランド州不動産取引ライセンス クィーンズランド州不動産協会正式会員/Real Estate Insititute of Queensland オーストリラア全土不動産調査会社会員/RP DATA 個人信用調査データ取り扱い正式会員/入居希望者の信用調査の実施資格会員
価格査定及び売り出し価格の設定
根拠のある情報をもとに検討します。

不動産売却はご所有の不動産がいくらで売れるかを調べる価格査定から始まります。まずは不動産業者に市場価格と成約見込み額を算出してもらい、ある程度掌握できたところで不動産業者と売却のタイミングを検討し売り出し価格を設定いたします。

物件の種類 コンドミニアム、一戸建て、更地の種類
物件の近辺調査 対象物件の近辺の状況
類似物件の売り出し事例 近隣で売り出されている類似物件の価格帯
類似物件の直近の成約事例 類似物件で実際に取引のあった売買価格
市場調査 現在の不動産市況
見込み客 どのようなセグメント(購入者層)が見込み客となるか
不動産媒介契約(売却依頼)
媒介契約の種類は大きくわけると3タイプ。大まかな経費も掌握しておきます。

ご所有の不動産の売却を不動産業者に依頼する契約です。価格査定の根拠や売却活動、成功報酬額や経費、またその他の業務内容について説明を受け、媒介契約書の内容を理解した上で契約します。媒介契約には三種類の形態がありますが、何れかの形態で売却の依頼をします。

▼不動産媒介契約(FORM6) の種類
Open Listing( 一般媒介) 複数の不動産業者に売却依頼可能
Sole Listing ( 専任媒介) 売主も売却可能
Exlusive Listing(専属専任媒介) 売却活動の一切を特定の不動産業者に一任
▼媒介契約の主な条件
媒介形態の決定 どの媒介契約で不動産業者に依頼するのか決定
売り出し価格の決定 広告&チラシ等、宣伝に表示される物件の売り出し価格を明記
依頼期間 媒介契約の種類により依頼期間を決定&明記
販売手数料 実際に売却された際に仲介手数料を何時&幾ら払うか明記
宣伝広告費 売り主に提案され了承された宣伝費を明記します
その他 その他、媒介契約で取り決めた事を明記します
▼売却諸経費
仲介手数料 不動産業者への成功報酬で売却価格の大凡3%+消費税(10%)となります。
権利調査費 必要に応じて物件の権利調査を実施する場合があります。A$22+GST〜
宣伝広告費 どのような方法で販売をしていくかで予算の組み方が異なります。
ディスクロジャーステイトメント
(管理組合の運営状況開示書)
区分所有形態(コンドミニアム等)の場合にはこの書類が必要です。A$110〜
弁護士費用 法的手続きを行います。
物件情報の提供
売却活動に先立ち幾つか揃えて頂く書類&資料があります。

対象物件について売主から直接お話を伺うことはもとより、更に情報を掌握するために幾つかご提供頂く資料があります。入手した情報は物件の案内時に買主にも提供する情報となります。できる限りの情報ご提供いただけると売却活動にプラス効果になります。

▼確認事項
権利書の有無 不動産の権利書の有無を確認。紛失の場合、再発行の手続きが必要です。
抵当権の有無 不動産ローンがある場合には、金融機関と弁済と抹消の手続き調整が必要です。
▼売却時に必要な物件情報
直近の市税通知の写し 直近に支払った納税通知書(請求書)の写し。
直近の共益費の写し 直近に支払った共益費の請求書の写し。
間取り図 購入時に業者から入手した間取り図や建築図面等。
測量図 家屋&土地の場合は土地の測量図、区分所有(コンドミニアム等)は専有面積図。
付帯設備及び家財一覧表 売買の対象となる付帯設備(オーブン等)や家財(家具、電化製品等)の一覧表。
住宅賃貸借の写し
(賃貸をしている場合)
物件を貸し出している場合には、賃貸契約書の写し及び、諸条件の確認。
運営委託契約書の写し
(短期貸ししている場合)
物件の運営をホテル会社にお願いしている場合には、運営契約書の写し、及び諸条件の確認。
法律事務所の連絡先 売り主の弁護士事務所及び、担当弁護士の連絡先。
プール安全証明書 個人所有又は区分所有のプールの安全証明。
保険証書の写し 内覧者に対する賠償責任の為に保険の加入が必要です。
売買契約書及び関連書類の作成準備
売買契約書以外に重要な書類があります。

売買契約書及び関連書類を予め準備しておきます。不動産業者にて物件の種類に応じて作成します(案件の種類によって売り主の弁護士に作成をお願いする事があります)。売主の情報を記入する必要がありますので、不動産業者に適当な情報を提供します。
売却額がA$750,000以上の場合、売却益税を確保する為に売却額の12.5%が源泉徴収されます。なお、源泉徴収を回避する事も可能です。詳しくはお問い合わせ下さい。

▼売買契約書一式
売買契約書 不動産の種類により所定の売買契約書があります。適当な契約書を不動産業者或は弁護士が準備致します。
ディスクロジャーステイトメント
(管理組合の運営状況開示書)
区分所有形態(コンドミニアム等)の場合、売買対象物件の持ち分権、共益費、修繕積立金の詳細、その他管理組合について重要な情報を開示する書類です。
付帯設備及び家財一覧表 売買の対象となる付帯設備(オーブン等)や家財(家具、電化製品等)の一覧表。
買主への開示書(FORM8) 不動産業者が第三者から受け取る利益などを開示する書類です。
売却活動及び報告

不動産業者はさまざまな営業活動を通して購入希望者を探します。その中から見込み客を絞り込み購入条件を引き出し売主と調整いたします。また不動産業者は必要に応じて他の業者の物件調査等にも立ち会います。

▼主な営業活動
物件情報の作成 売り主から頂いた情報をもとに販促のチラシ等を作成します。
不動産流通サイトへの掲載 オーストラリア最大手の流通サイトに加え、他の流通サイトに物件情報を掲載します。
他の不動産会社との共同販売 他の不動産会社にも積極的にアプローチし販売網を広げます。
オープンホームの実施 週末或は終日に時間を決めてオープンホームを実施します。
▼特約&停止条件に関連する各種業務(一部)
融資取り付け 不動産鑑定人との連絡及び立会い
家屋調査 家屋調査士との連絡及び立会い
害虫調査 害虫駆除業者との連絡及び立会い

▼販売中のフロー

販売中のフロー
売買契約の締結
双方(買い主&売り主)の署名が売買契約書に記入されて正式な締結となります。

不動産契約は基本条件や特約、停止条件等が買主と売主の間で同意に至った後売買契約の締結となります。契約締結に至るまでは条件変更や特約の調整がでてくるのが一般的です。不動産業者や法律事務所より条件や特約について十分に説明を受け納得した上で契約を締結します。

■標準的な売買条件

標準売買契約条件を基に手付金10%、決済は30 日後(残金受領&所有権移転)が基本です。

■購入申し込みの受付と売買契約締結と基本的な流れ

  1. 買主と売買の基本条件と特約を整えた後売買契約書に反映させ署名を頂き正式な購入申し込み(通称、オファー/Offer)として売主に提示致します。
  2. 売主で価格を含めた条件などを検討し売却に応じる場合には売買契約書に署名し契約を成立させます。
  3. 仮に条件が合わない場合、売主は条件の変更(通称カウンターオファー/Counter Offer)を買主に提示することができます。
  4. 買主が変更に同意すると契約の成立となりますが、買主より更にカウンターオファーが提示されることがあリます。
  5. この場合、双方の何れかが最終的に条件の特約に同意し契約書にその意思(通常、イニシャルの記入)を反映させると契約の成立となります。

▼販売契約締結までの流れ

販売契約締結までの流れ
▼買主からよく提示される諸条件&特約、停止条件等
手付金の減額及び期日の猶予 手付金(通常契約額の10%)を減額、手付金の支払期限日の調整。
融資取り付け条件 購入代金の一部、或は全額を金融機関から借り入れる事を条件。
他の物件売却条件 購入代金の一部、或は全額を買主が他に所有している物件の売却資金で賄う。
白蟻&害虫調査 シロアリ、その他害虫調査を実施し問題が無い事を条件。
家屋調査 不法建築、建物瑕疵の調査を実施し問題が無い事を条件。
補修箇所修繕 物件の修理、修繕個所が物件引き渡し(決済)前迄に完了している事を条件。
等価交換 購入代金の一部、或は全額を買主が他に所有している物件と等価交換する。
公租公課等の負担額の免除 決済時に調整される土地税、固定資産税等の分担金を売り主が負担する。
▼買主からの解約理由
クーリングオフ クーリングオフ(諸条件を満たす必要有り)にて売買契約を解約。
融資の未承認 購入資金について融資の承認が受けられなかった事による解約。
各種調査の結果 白蟻&害虫調査、家屋調査の実施により満足する結果が得れなかった事による解約。
売買契約書の不備 売買契約書一式に不備があることによる解約。
▼手付金の預託場所
不動産業者の信託口座 通常、買い主は売買契約書の署名時に手付金の小切手を持参します。不動産業者はその小切手を速やかに信託口座に入金し、"正式な購入の申込み"として買い主と売り主に預かり金額の詳細を報告致します。銀行振込の場合もあります。
▼残金の預託場所
弁護士事務所の信託口座 手付金を除いた不動産代金は、通常買い主の弁護士事務所に預託され、決済時(代金精算&物件引き渡し時)に不動産の権利譲渡証書と交換で売り主の弁護士事務所の信託口座を介し、売り主に支払われます。
引渡し準備
決済(代金と所有権の交換)は弁護士間で行われるので立ち会い不要。物件の引き渡しにのみ注力して下さい。

契約の締結後は決済日(代金受領・物件引渡し)まで買主と売主の双方の弁護士間で重要な事務は執り行われます。その間、私物の移動やライフラインの解約の手続きをはじめます。不動産業者では引渡しに先立ち買主と物件の最終確認などを行います。

▼各種重要書類への署名
所有権譲渡証書への署名 決済に先立ち法律事務所にて準備される譲渡証書に署名します。
決済収支の確認 予定される不動産代金収支明細書が発行されますので、内容の確認をします。
▼その他
引渡し前最終立会い確認 物件引渡しに先立ち、売買条件に基づき物件の状態の最終確認が、買主により実施されます。
付帯設備及び家財リストの確認 売買の対象となる付帯設備(オーブン等)や家財(家具、電化製品等)の最終確認。
物件の鍵の引渡しの準備 物件の全ての鍵、リモートコントロール等の準備と最終確認。
私物の移動 決済前に全ての私物を移動します。
ライフラインの解約 電話、電気、ガス等の解約手続きを行います。解約日は通常決済日となります。
郵便物の転送 郵便物の転送手続きを行います。

▼売却後のフロー

販売後のフロー
残代金決済・物件引渡し
不動産の代金の受け取り、権利譲渡証書の引き渡しは全て弁護士間で行われます。

契約に定めた内容で物件の引渡しを行います。物件の鍵は全て弁護士事務所の指定する場所に届けます。残金の受領や鍵の引渡しは買主と売主の法律事務所の立会いのもとで執り行われます。決済業務が済んだ時点で売買契約は完了いたします。

▼不動産代金の受領
手付金 不動産業者の信託口座に預託された手付金より手数料、その他の経費が差し引かれ売り主の指定の口座に入金されます。
不動産代金 法律事務所の信託口座に預託された金銭より弁護士報酬費、その他の経費が差し引かれ売り主の指定の口座に入金されます。
▼物件の引き渡し
物件の鍵を引き渡します 通常は不動産業者か法律事務所に届け、決済が完了します。