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賃貸事業ガイド

基礎知識

オーストラリアではじめて賃貸事業を検討されている方へ。まずは大まかな情報や賃貸事業のプロセスをご確認ください。

ゴールドコーストはオーストラリアで人口増加が著しく、それに伴い賃貸需要が旺盛です。一方で賃貸契約に関連するトラブルは後を絶たず専門的な知識と経験のもとに丁寧に事業計画を立てる必要があります。 「所有している不動産を貸し出して家賃収入を得たいが何から始めたらよいのか分らない」、と事業機会を先延ばしされているオーナー様も多くいらっしゃると思います。ここではゴールドコーストで賃貸事業を始めるにあたり理解しておかなければいけない基本的なポイントを簡単に紹介しています。

不動産業者の選択
成功の可否は不動産業者選びから。

ゴールドコーストには多くの不動産賃貸管理会社があります。全国規模で展開する会社もあれば、専門エリアを絞り込んで夫婦(ママ&ダット)で営業している店舗もあります。それぞれに長所と短所があり甲乙つけがたいところはありますが、検討の際には以下のポイントを頭の隅におきながら業者とお打ち合わせすることをお勧めします。

不動産業者のライセンスの有無 ブローカー的な業者には注意が必要。
営業所&事務所の有無 営業所、或は事務所を構え営業しているか確認。
各団体の会員の有無 不動産協会や個人情報取り扱い会社、不動産調査会社への会員登録は、お客様へのサービス向上の為、最低限加入が必要な団体です。
賃貸実績 募集方法、サポート体制、紛争解決体制、その他業務に関わることの確認。
信託口座の有無
(通称トラストアカウント)
集金した家賃を自社の営業口座に入れる会社は要注意です(違法です)。
賃貸収支専用管理ソフト完備 クィーンズランド州不動産協会が推奨している賃貸管理ソフトが完備されているか否か。
入居者信用調査実施の体制 入居者の信用調査をどのように行っているか確認。
▼不動産ライセンス&各種加盟団体
クィーンズランド州
不動産取引ライセンス
クィーンズランド州
不動産協会正式会員
Real Estate
Institute of Queensland
オーストリラア全土
不動産調査会社会員
RP DATA
個人信用調査データ取り扱い
正式会員
入居希望者の信用調査の実施
資格会員
クィーンズランド州不動産取引ライセンス クィーンズランド州不動産協会正式会員/Real Estate Insititute of Queensland オーストリラア全土不動産調査会社会員/RP DATA 個人信用調査データ取り扱い正式会員/入居希望者の信用調査の実施資格会員
賃貸事業の形態
大きくわけると2通り。観光客を対象にしたホリデーレッティングと住民を対象にしたパーマネントレッティングがあります。

先ず所有する物件がどの賃貸形態に相応しいのか検討する必要があります。一般的に市内中心にあるコンドミニアムは何れの賃貸形態でも運用が可能ですが、郊外にある一戸建てやタウンハウスなどはパーマネントレッティングの運用が適当です。それぞれの特徴と留意点を以下にまとめました。この案内では主にパーマネントレッティングをご紹介します。

▼パーマネントレッティングの他の特徴
運用の形態 特徴 留意点
ホリデーレッティング
(ホテル運用)
  • 国内外の観光客を対象に貸し出す。
  • ご自身でも定期的に利用可能。
  • シーズンにより収入にばらつきがある。
  • 運用経費に変動がある。
パーマネントレッティング
(賃貸運用)
  • 国内在住の日本人、ローカルを対象に6ヶ月〜12ヶ月単位で貸し出す。
  • 安定した家賃収入がある。
  • ご自身で利用したいときに利用できない。
▼パーマネントレッティングの他の特徴
6ヶ月-12ヶ月の定期借家 賃貸契約の満期と同時に無条件で物件の引き渡しをうけることができる。
安定した家賃収入 通常賃貸契約期間は6ヶ月〜12ヶ月でこの間は絶えず家賃収入が見込める。
賃貸中でも売却可能 入居者に予め承諾を得ておく事で、売却時の物件案内や内覧会が実施可。
固定資産税の減税措置 毎年の固定資産税が他の賃貸運用と異なり安価。
水道光熱費は賃借人負担 光熱費、ガス、水道、電話などの費用は全て賃借人が負担。
賃貸事業に関連する法律と契約
賃貸事業を行う際にあたりどのような契約書があるのか理解しておきます。

賃貸事業を行うにあたり、先ずオーナー様と不動産業者、そして貸し出し時には入居者との間で取り交わしされる契約書が幾つかあります。これらの契約書には各々の権利や義務、そして遵守すべき条件などが記されています。契約の締結前に各条件の内容は十分に検討しておく必要があります。それぞれの契約は公的な監督局によって運営管理されていますので、初めてのオーナー様でも安心して賃貸事業を行うことができます。

▼賃貸管理委託契約書(PAMD Form 20a)
種類 賃貸事業を行うに前にオーナー様と不動産業者で交わされる賃貸管理委託契約書
適用法律 不動産業法(Property Agent and Motor Dealers ACT)
主な取り決め内容
  • 新規入居者仲介斡旋業務
  • 家賃の集金業務及び経費支払い業務
  • 入居中の契約及び物件管理業務
  • 上記業務における手数料
▼住宅賃貸借契約書(Residential Tenancy Agreement)
種類 オーナー様と入居者の間で交わされる不動産賃貸借契約書
適用法律 住宅借家法(Residential Tenancy ACT)
主な取り決め内容
  • 賃貸条件(家賃、賃貸期間等)
  • オーナー様と入居者の義務と権利
▼RTA(住宅賃貸借契約監督局)
種類 賃借人より預かる保証金の預託関連書類
適用法律 住宅借家法(Residential Tenancy ACT)
主な届け出内容
  • 賃貸条件(家賃、賃貸期間等)
  • 賃借人より預かった保証金の受託&管理

▼賃貸事業に関連する契約関係図

賃貸事業に関連する契約関係図
家賃の収支管理と信託口座について
家賃の受け取り、経費の支払い、オーナー様への支払い、保証金の支払いは全て信託口座を介します。

不動産業者がオーナー様に代わり賃貸業務を行う際には、不動産業法に基づき州政府管理の信託口座(通称、トラストアカウント)にて賃貸事業支出の管理を義務付けられております。法律上、オーナー様から頂いた指示の内容に基づいた支出のみが不動産業者には認められており、それ以外の支出については認められていません。同信託口座は定期的に第三者による監査を受け口座の管理状況は州政府に報告されます。同口座で不正な取引がある場合には不動産業者は厳罰が課せられますので、信用性の高い口座と認識されています。

■信託口座に入金される金銭例

  • 賃貸契約時の保証金
  • 家賃その他雑収入
  • オーナー様から経費支払い準備金として預かり金

■信託口座から出金される金銭例

  • 賃貸契約時の保証金の預託
  • 賃貸経費
  • 各種手数料
  • 家賃より全経費を差し引いた差額の支払(家主へ)

▼信託口座(通称トラストアカウント)の収支のフロー

信託口座(通称トラストアカウント)の収支のフロー
保証金(Bond)
賃借人から預かる保証金は家賃の4週間分相当。主に入居者の退去時の経費に充てられます。

住居賃貸契約を締結する際に入居者より家賃4 週間分相当の保証金を預かります。保証金の徴収は入居者による家賃未払い、退去時の掃除、損耗修繕費などを保全することが目的です。同保証金は不動産業者にて集金し後、10 日以内にRTA(住居賃貸管理局)に預託されます。解約時に入居者の債務を精算し、残金は入居者に返金いたします。

■保証金より精算される主な経費

  • 物件掃除費:掃除は専門業者によって施されることが入居者に義務付け
  • 物件修繕費:入居者の過失による物件の損害(自然損耗、汚染などは対象外)。
  • 家賃:賃貸契約満期日と実際に明け渡した日の日割り計算家賃
住宅保険
オーストラリアでは一般的に事業を行うオーナーが加入します。

賃貸事業の開始に先立ち住宅保険、貸主保護保険の加入を検討します。豪州では入居者用の保険があまり普及していません。また、些細なことでも訴訟問題に発展することがあり得ます。自分の財産は自分で守るというのがオーストラリアにおける通常の観念です。各種保険は銀行や保険会社で取り扱っていますので先ずは担当者までご相談ください。留意点:諸条件によりテナントが加入する場合もあります。

▼保険の主な補償内容
住宅保険 火災、第3 者の故意、自然災害等による住宅建物の損害、損失
家財保険 火災、第3 者の故意、自然災害等による家財の損害、損失
貸主保険
  • 入居者の契約不履行による未払い家賃
  • 一般賠償責任保
  • 固定された設備、備品(トイレ、バスなど)、絨毯、ブラインドの損失、損傷
  • 未払い家賃の返還訴訟の際に掛る弁護士費用などの経費
各種経費の負担
誰が何を支払うのか? 予め確認をしておきます。

基本的にオーナーは物件の公租公課、共益費(管理費)、設備の修繕、そして通常損耗と経年変化による損耗費用を負担し、入居者は光熱費、水道代、電話代の通信費、消耗品等を負担します。ケースによって異なりますが、主な費用は賃貸契約締結時に明示されます。

▼賃貸期間中に発生する経費例
内容 負担者
水道代(条件付き) 入居者
電気代、ガス代、通信費 入居者
インターネット接続代 入居者
ケーブルテレビ接続代 入居者
退去時の部屋掃除&絨毯クリーニング 入居者
公租公課 貸し主
電話の開設費 貸し主
自然損耗、経年劣化その他 貸し主
電球のユニットの故障 貸し主
エアコンユニットの故障 貸し主
紛争が生じた場合
基本は話し合いで解決。最終的には住宅賃貸監督局(RTA)、或は簡易裁判所にて解決します。

当事者間で話し合いを通じ解決をすることが基本ですが、見解に違いがあり解決が難しいと判断した場合にはRTA に仲裁を求めることができます。金銭的なトラブルが発生した場合には簡易裁判にて調停の申し入れを行います。以下は過去の紛争事例です。

■オーナーからのクレーム申し立て

  • 家賃、その他の経費未払い
  • 深夜迄のパーティー騒音や奇声
  • 家具や設備の破損

■テナントからのクレーム申し立て

  • 家具や設備の修理の遅れ
  • 害虫駆除処理の遅れ
  • 隣人のパーティー騒音や奇声
税務
オーストラリア国内でも所得税申告が必要です。公認会計士&税理士に相談します。

賃貸事業を営むオーナーは毎年所得税申告を行うことが豪州税務局より義務付けられています。諸々の契約書や報告書に基づいた申告が求められていますので、普段より書類の整理整頓を心がけて下さい。ご自身でも所得税申告は可能ですが、専門性が求められることから豪州の公認会計士に申告業務を担っていただくことをお勧めいたします。

■確定申告時に必要な書類例

  • 不動産の売買契約書
  • 不動産売買の決済明細書
  • 不動産取得にかかった経費明細書
  • 建物と付帯設備の減価償却額一覧表
  • 家財価格の一覧表
  • 賃貸収支報告書
  • 備品(家具、電化製品など)の損傷に対する修繕費の領収書
  • 清掃、補修工事、害虫駆除など物件維持のために発生した経費の領収書
  • 各種保険の支払い証書
  • 賃貸物件の視察の際に発生した交通費、宿泊費の領収書
  • 融資を受けて物件を購入した場合は、その経費と返済明細書
その他

この不動産賃貸事業ガイドは不動産の賃貸事業を検討されている方への初期的な案内となります。何かご不明な点がありましたら、何時でもお気軽にお問い合わせ下さい。

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